よそいきのメモ帳

人に見せてもいいメモ帳をつづります。

俯瞰

東京国立近代美術館で開催されている「高松次郎 ミステリーズ」の内覧会へ。常設展示には中西夏之の作品があるので、千葉か町田に行ってから近代美術館へ赴けばハイレッド・センターの作品がっつり見られる。つかれるから日をまたいだほうがいいとはおもいますが…。

トラフ建築設計事務所による展覧会の構成が面白い。自分やものの姿を高松作品のように白い壁に投影できる「影ラボ」。

 

 

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自分や対象が壁から離れ、光源に近づくほど影は大きくなり、逆に壁に近づくほど影は小さくなっていく。遠近法とは逆の感覚がおもしろい。

 

時系列にならんだ作品を俯瞰できる会場内の小さな高台。

 

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昨日の 赤瀬川展に続いて高松次郎 ミステリーズの内覧会(常設展には中西さんの作品も)。展示スペースの中心には高台が設置されており会場を俯瞰できる。

 

たんなるアトラクションのように見えるけれども、いえいえ奥深い。鑑賞者は身体の移動によって作品の見え方が変わってくるに気づくのだ。自分が前後左右に動き、その影と光の関係を模倣したとき、止まってみていた影の絵を違った感情で見るようになるのだ。自分が上にのぼり、タカの目で開場を見渡した時、ダチョウのようにひとつひとつの作品を凝視していたころとは違った見え方がすることに気づくのだ。

高松次郎っていうのは、一生をかけて、いろいろな作品を作っていくことで、そんな「見え方」の違いに気づいていったのではないかしら、なんて思ったり。

 

つづいて渋谷で取材。はじめての媒体なので勝手がよくわからないけど、題材がとても面白いので長く続けばよいと思った。テキスタイルは奥深い。

 

さらに続いて表参道で打ち合わせ。こちらも新しい世界。うまく力になれるといいなと思う。しかし事務所がまだできてなくて大工さんたちがガンガンはたらいていた。

あたりはすっかり冬でありました。

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表参道、うっかり初日だった!

千葉

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ザ・千葉駅前

 

千葉市美術館へ「赤瀬川原平の芸術原論 1960年代から現在まで」を見に行く。自分はVOWの流れでトマソン路上観察学会に行きつき、そこで赤瀬川さんを知ったクチなので、中高生時代は現代美術というよりかは、サブカルのお父さん的な存在だった。

その後、大学に入って戦後の現代美術を学んでいくわけだ。そうすると、千円札裁判だったり、尾辻克彦だったり、ハイレッド・センターだったりを知り、じつはすごい人であることが少しずつわかってくる。そのいっぽう、現在の赤瀬川さんは新解さんであったり、老人力であったり、ライカ同盟であったりと、自分が過去の知識を深めつつあるのと同時進行でがんがんフィールドを拡げていっている状態。つまりついていくのが大変だったわけだね。

でも、だからおもしろかった。過去にも現在にも赤瀬川さんがいて、いつも面白い未来を提示してくれるような気がしていた。氏がなにに目をつけるのか、とにかく気になっていた。もしかしたら、いまのみうらじゅんのスタンスが近いのかもしんないね。

卒論で赤瀬川さんを取り上げていた友人がいたり、日本美術の先生が赤瀬川さんと日本美術応援団というのを結成したりしていたりと、ふつうの学生よりかは赤瀬川さんの世界に触れる機会が多かったというのもある。いま思うと非常に幸福な環境だったんだけど、そのことに気づくのは彼の訃報を聴いたあとのこと。本当に残念だ…。

 

ということで、展覧会を見たんだけどとにかく量が多い!

2フロアからなる会場、1階ぶんだけでゆうに1時間はかかってしもうた。展覧会のチラシや裁判資料、マンガなど文字が多いからひとつの作品を見るだけでも相当の時間がかかってしまう。集中力を持続させるのが大変。最後のほうはかなりフラフラになりながらの鑑賞でありました。半分くらい町田にわけてあげてもいいんじゃ…。

でもまあ心が震える展覧会でありました。

 

そういえば11月30日はナンバーガールが解散した日です。あの日から自分のなかで止まっているものごとがたくさんあります。琴似は寒かったね。


NUMBER GIRL - OMOIDE IN MY HEAD (last live ...

 

 

近場で

午前中はとある神楽坂の料亭の取材。通された部屋には普通に酒井抱一の絵がかけられていた。お茶のことは本当に不案内なので、そのあたりのところから、茶道具、そして茶の席、そして食事の話ともっていく。自分の知識がもっとあれば、最初からど真ん中を攻められたんだろうけど…。教養が足りないのは辛いものです。

取材が終わって外にでたら土砂降り。仕方ないので目をつけていたちょっとお高いビストロにかけこむ。11時台で予約なしで入れた最後の一人だったようだ。

 

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にんじんとオレンジのポタージュ。夏にコーンとオレンジのポタージュをいただいたけど、甘い野菜とオレンジ組み合わせるのはやってんのかな?

 

食べながら一人反省会。茶事や懐石に関する知識が圧倒的になさすぎる。呼ばれた大きな茶会の末席であたふたしているようなレベルの知識しかないと、今日みたいな朝から粥をすするような懐石料理の話がぜんぜんできないのだ。

瓢亭の本で勉強していても、やっぱり付け焼き刃。
(とはいえ、この本は非常に勉強になりました)

懐石入門

懐石入門

 

 

家に帰ってお茶のことをもう少しきちんと知りたいと考え、思い立って畠山記念館に赴くことにした。畠山記念館はその名の通り畠山さんの記念館。畠山氏の流れから荏原製作所をつくり、そして崇高なコレクションを築き上げたのです。そのなかでも特筆すべきがお茶道具のコレクションということで伺ってみた。

ここもまた庭園が美しい。

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畠山記念館の庭園もまた素敵です。これも川跡かな?

 

「大名茶人 松平不昧の数寄」は、大名として、茶人として高名だった松平不昧が蒐集した茶道具の展示。畠山記念館は、ここのなにがすごいのか、ここを見るのが面白いのか、というのをシンプルながらわかりやすく説明してくれるから好きだ。

解説パンフレットも非常にわかりやすい。

http://instagram.com/p/v-hudeti9T/

「畠山記念館ハンドブック」が楽しいです。茶道具鑑賞のポイントがわかりやすく解説されております。400円ぽっきり!

 

きちんと勉強していかねばならぬのう。

 

 

大冒険

分譲地の取材からスタート。柏と流山のはざまにあるその土地は、少しだけ高台にありポカポカ。リゾート地をテーマにした街になるという。このごろの分譲地は、単に土地と建物を売るだけでなく、その後の育ち方も出してくるので面白い。

せっかく柏まで来たということで、お昼は我孫子駅の有名立ち食いそば屋、弥生軒へ。ここは山下清が働いていたということでも有名だけど

 

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先日、柏で取材した帰り道、カメラマンさんが「我孫子の山下清が働いていた立ち食い蕎麦屋にいく」と言い残して下りの電車で去っていったのが強く印象に残っていて、自分も行ってみようとおも、おも、おも、思ったんだな。

 

なによりも有名なのはからあげの大きさ。ひとつにしておけばよかった…。

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しかし名物の唐揚げそば(からあげ2個で510円)は想像を絶するでかさであった!そば見えないじゃん!お店のおばちゃんに持ち帰り袋をいただき、じゅわじゅわの唐揚げをつめて家路へと帰るのであった。

 

そんなこんなで、東京にもどって取材と撮影。青山では美しい庭園やグッズを拝見。土地のうねりがすごいんだよね。大名庭園とスリバチのダイナミックさに思いをはせる。

続いて、森下&深川を探検し、取材。ここもまたいい感じ。触れるっていいな。帰りは山食堂で一杯ひっかけ。白ビールバルサミコのカクテルがおいしかった。

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昼があんなだったので夜はツナとチンゲン菜の炒め煮。お店のBGMがFlaming LipsのRace For The Prizeだった。

 

食べてばかりで反省。

大詰め

今日でカメラマン込みの撮影は終了。あとはひたすら取材と執筆の時間となります。けっこうたいへんだった。まずは下井草から。

 

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ハイパーババロアタイム

取材地のカフェでは、昭和の時代のババロアを復刻してお出ししているという。ムース全盛の現在、ババロアをきちんと作って出しているお店は少なくなっていると伺い、そういえばここ2〜3年、ババロアと食べていないことに気がついた。お菓子の世界も栄枯盛衰なのだ。

 

その後、池袋で取材。またクッキーいただいてしまう。

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何回か伺ったことがある建物だけど、やはり創立者の理念などを伺うと伺わないでは雲泥の差だ。ただ、問題は限られた字数でそれらをいかに語れるかということ。必要最低限のデータだけでいっぱいいっぱいになってしまう。どうしたらいいものか…。

 

一旦家に帰り、夕方からクラウドファンディング系の会議。どうしたらうまくお手伝いできるか思案のしどころ。

 

 

 

 

雨模様

残念ながら小雨がぱらつく朝から丸の内で撮影。人身事故で山手線が徐行運転で、とにかく久々に全力疾走であった。ほんと死ぬかと思った次第。日の光が鈍いおかげで雰囲気ある写真が撮れてよかったよかった。

 

続いて目黒にある、かつては邸宅だった記念館を撮影。予期せぬご親族の登場に一堂緊張! しつつ、雰囲気ある場所を撮影できました。ここはよい!

 

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昭和13年築の建物にて

 

カメラマンさんに新橋まで送ってもらって、銀座へ。ちょっと時間があったので資生堂ギャラリー荒木経惟の展示を見る。

 

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ただいまの資生堂ギャラリーは撮影可能だそう。荒木経惟 「往生写集 - 東ノ空・PARADISE - 」

 

いい気分になったので資生堂パーラーまで。お客さんの半分くらいが中国の方であった。

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その後、取材を終えてから大串祥子展「美少年論 Men Behind the Scenes」、その後T.I.Pで竹中あゆみ写真展 「島に行く理由」とハシゴ。

先日の奈良原一高、そして今日の3つの写真展を思い起こすと、対象物への距離のとり方というものの重要性ひしひしと感じる。ちょうど良い距離なら心地よく感じるし、近づきすぎると圧迫感を感じる(それが悪いというのではなく、むしろいい場合もある)し。バランスって大事なんだなあと思うわけなのです。

レベル10の日

朝一番で要町で撮影。あいにくの雨模様だったものの慣れてきたのでサクサクと進む。午後は食べ物系も含めた撮影。色合いが美しい和菓子でございました。

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今日は和菓子の撮影です。

一日に複数の取材って、このお仕事が始まるまでそんなに経験しておらず、テンションや気持ちの落ち着け方がいまだにうまくいかない。とりあえず、このところは歩いてIngressに講じて興奮を解きほぐしたりしているのだが、この日はあまりに高まりすぎていたため、恵比寿から代官山まで踏破してしまい挙句のはてに憧れのレベル10に到達することに。

 

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恵比寿で稼ごうと思っていたら代官山まで来ていました。

LEVEL11はさらに難易度が高いのでゆっくりやっていこうと思います。

 

そういえば、週末の日本経済新聞「なんでもランキング」でコメントが掲載されました。
根強い人気ゆえ、日本ではけっこういろいろなところで印象派の作品は見られるのですが、だから選ぶのがとても大変でした。みんないい美術館なので…。


1位は箱根・ポーラ 印象派楽しめるお薦めの美術館 :日本経済新聞