よそいきのメモ帳

人に見せてもいいメモ帳をつづります。

町田三昧

町田の博物館、美術館にはご縁がある。博物館は、高校生のころから収蔵品のガラス目当てで通っていて、芹が谷公園の国際版画美術館には学芸員実習で2週間通っていたのだ。いまはどちらも遠く感じるけど、かつては全く距離を感じなかった。ワクワクしてるうちについちゃってたから。ワクワク度がたりてないんだなー

 
そう、町田市博物館はガラスのコレクションが充実しているのです。自分の好みは透明で塊ドン!なガラスなので、ボヘミアンガラスや中国モノが多い町田はこのごろ足が遠のいていけど、やっぱり楽しいのだ。ということで、町田の施設をがっつり回る一日を設定。まずは町田市博物館で、「『ビエンコ』ってナンダ!? ガラスの鼻煙壺 ―清朝の嗅ぎたばこ入れ―」を鑑賞。
 

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相変わらず想像を絶する遠さでした。

鼻煙壷とは、嗅ぎたばこ用の小さな瓶のこと。中国の人って「ガラス=石の代用品」って認識が強い感じを受けていて、かなりの品が瑪瑙だったり大理石だったり、琥珀みたいな色を帯びてるんだけど、いくつかはガラスの質感を生かした美しい瓶が並んでいた。作り方もわかりやすくてよかった。

 

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ビエンコとは鼻煙壷、かぎたばこのビンのことなんだが、そのコレクションがずらり。すべて寄贈品なので撮影OKだそうです。内画のプロセスのわかりやすく展示。

 

しかし遠い。どうしてこんなに遠いのかってくらい遠い。2018年に美術館と統合して芹が谷にやってくるらしいけど、もっと前倒ししてほしいと強く念じるくらい遠かった。

バスに揺られて駅まで戻り、続いて町田市民文学館 ことばらんどにて「尾辻克彦×赤瀬川原平-文学と美術の多面体-」。美術家であり、評論家であり、社会学者であり、そして文学者であり、展覧会のタイトルどおりさまざまな側面をもち、そのどれもが渋い存在感を醸し出していた赤瀬川原平。この展覧会は、そのなかでも文学的側面、町田的側面に光をあてたものであった。

 

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町田市民文学館ことばらんどの展覧会、「赤瀬川原平×尾辻克彦 」は当たり前だけどかなり町田コンシャス。ニラハウスって屋根のニラばかり注目されてるけど、その地形かなり意識したものなんだな。

 

新解さんの謎も、トマソンも、カメラへの偏愛も、ものごとを冷静に面白がりながら観察する姿勢が生み出したものなのだな、と感じることしきり。

あたりが暗くなってきたので、急ぎ足で町田市立国際版画美術館で谷中安規展。学生時代にバイトしていた美術館で彼の回顧展をやっていて、そのときからときどき夢にあらわれていた谷中安規。ものすごく久々に彼の作品をたっぷり拝見した。200点近くは多いな…。そしてどんな時代でもロマンチストは生きることがつらいのだ。

 

しっかし、この美術館も駅から遠い…。