岡本太郎展へ
3月7日、東京国立近代美術館で本日から開催される「岡本太郎展」の内覧会を見せてもらう。こんなに混雑してて大丈夫なのかってなぐらいの人、人、人!まだ始まってもいないのに、最終日のような混雑ぶり(最終日の混乱のシミュレーションをしていたのかもしれないね)。
すごく簡単な言葉で表現するならば「メリハリのきいた展示」。
未見の方への「ネタバレ」を気にしてしまうほど「驚き」が詰まっている。もちろんその驚きはお化け屋敷のようなギミックたっぷりなものとは大きく違い(入り口はアレレ?かもしれないけど)、太郎の作品。作品のなかにこめられている激しさとその時代時代の太郎の姿をお客さまに伝えようとしたら、ものすごいダイナミックになっちゃいました、という感のもの。愛がいっぱいあふれているのだ。
入り口の赤く暗い閉塞感たっぷりの展示(以前特別に見せていただいた『太陽の塔』内部を彷彿とさせるもの)から、いきなり変化するクリーム色の「いつもの美術館」の世界。展覧会のテーマは「対決」だそうですが、この展示の変化の仕方も太郎の内部世界と、太郎が戦ってきた「つまんない美術界」との対決、なのかなとも思ったりします(万博時の太陽の塔の疑似体験なのかもしれない)。
全体的にもとても計算された構成だと思いました。最初にすごいインパクトを与える展示を見せて、いきなりストンと普通の展示に戻し、動画をまぜ、写真をいれ、また少しずつ少しずつ暗くしていき、そして最後の最後で…!という展示の方法はコナミのグラディウスの1面を思い出しました。最後の最後で火山が大爆発するけど、すみっこで見てればすぐ終わる、みたいな。
しかし、あんだけ人がいると自分のペースで進めないからなー。自分のスピードで歩けたら、あのメリハリにかなり感動するはず。すいているときに行くのがオススメだと思いました。
『痛ましき腕』や、『森の掟』などの代表作も間近で見ることができ、また万博時の『太陽の塔』の写真(丹下建築にかこまれていた当時のもの)も見ることができて感無量。
「万博のときって、まわりに建物が建っていたんだね!」と驚くヤングの横で、素敵なミドル(建設会社系?)が「わたしは建物のほうで、塔にはタッチしてなかったんだよねー」と当時を振り返るトークをされていたのが印象的でした。世代を超えて愛されている太郎なのだなあ。
グッズもかなーり充実しているので、現金は大目に持っていったほうがいいかも(カードは10000円以上からのみ受付だそうなので)。
会期中にもう一度、いや何度も足を運びたいと思った次第です。
岡本太郎記念館でも太陽の塔の展示をやるので、そっちも楽しみ!
■以前 AllAboutで書いた記事: