よそいきのメモ帳

人に見せてもいいメモ帳をつづります。

金沢

連休前に金沢を中心に能登半島をぐるっと回ってきました。

まずは朝一番で九谷焼資料館を周り、その後金沢21世紀美術館へ。

金沢21世紀美術館 レアンドロ


企画展がお休み中だから空いているだろう、と思って行ってみたわけなんですが、企画展がお休み=レアンドロの『スイミングプール』は下から入れない、なのですね。非常に、非常に残念であります。

下に人がいないプールって、芸術作品でもなんでもなくて単なるプールなのです。ということを実感。下調べは実感。

金沢21世紀美術館

マイケル・リンは壁だけでなく、椅子も美しい。椅子は背もたれにもペイントしてあるものがあるので、とにかくぐるぐる動き回ってみるのがいいと思いました。


金沢21世紀美術館

こちらは新収蔵品、オラファー・エリアソンの「カラー・アクティヴィティ・ハウス」。


この美術館は、いわゆる「外壁」がないから、通りからでもばっちり見えます。この「カラー・アクティヴィティ・ハウス」はもちろん、「スイミング・プール」もなにもかもがばっちり。そして、作品が見えるだけじゃなくて「わざわざ金沢に作品を見にきた人が、じっくり作品を見てる」さまもよく見える。これはとても大切なことだと思うのです。

通りを歩いていたら通行人が向こう側のなにかをじっと見ていた、思わずつられて見てしまった、という経験はだれしもあるはず。

通行人の視線の先にあるものはいつもまちまち。若者のケンカであったり、カラスがゴミを漁っているところであったり、未確認飛行物体であったり。結果がなんであれ、私たちは「だれかがじっと見ているもの」がとても気になるのです。


どんなにアートに興味がない人でも、この「人がじっと見ている姿」に心がゆれる。
そして、だれかの視線の延長線まで目を向けようとする。
興味がない人にもかかわらず、いつのまにか作品を見ている。
そして、また視線を日常に戻す。

きっと、一連の目と心の動きはわずかな時間のことなんでしょう。でも、毎日のように積み重なっていくと、アートに興味がない人であっても、いつのまにか心のなかに作品が住み着きはじめる。好きとか嫌いとかよりまえに、心の中に面積を占めるようになる。シンスケじゃなくてもそれってステキやんって言いたくなるわけですよ。

ってなことを考えさせてくれる素敵な素敵な美術館なわけです。あと、油圧エレベーターかっこいい。



ということで、金沢の夜は更けていくのでした。