よそいきのメモ帳

人に見せてもいいメモ帳をつづります。

高崎

取材で高崎へ。ちょっと時間があったので立ち寄った高崎市立美術館がことのほか素晴らしかった。

企画展の「アート・ツリーズ―つながっていく、樹々の物語」は、県立高崎女子高校の美術教師であり、画家でもある井田秋雄と、彼に薫陶を受けたアーティスト、彫刻の三輪途道、銅版画の長野順子、油彩画の渡辺香奈の4名の展覧会。

Untitled
渡辺香奈 『倖に殺され、邪に締め出され』※この作品のみ写真撮影可能

3名の作家は全く違う作品を作り、独自の世界を構築している。けれども、どこか根っこの部分が共通しているところを感じる(予備知識のせいかもしれないけど)。それが井田秋雄の「教え」ということなのだろう。

高校生というものは、日本においては多くが15歳から18歳。3年経ったらその場から立ち去り、新しい世界へと羽ばたいて行く。
先生だけがその時間ずっとその場に居続け、年を取って行く。

数十年間、ずっと変わらず15歳から18歳までの生徒を相手に美術を教えるということはいったいどういうことなのだろう?そして、教え子のなかから素晴らしい芸術家が輩出されているということに、いったいなにを感じるのであろう。そんなことを思った。

というのは、井田秋雄の作品は年を重ねていっても力強いからだ。淡い色合いなのにラディカル。どういうわけだか4名のなかで一番若い感じさえもしたのだ。きちんとお話を伺ってみたいなあ。


そんなことを考えつつ、高崎の大原孫三郎的存在、井上房一郎の旧邸宅も拝見。

レーモンド

レーモンド2 梁がすばらしくてさ!

すっきりとしていてきもちのよい建物。
ちょうど、県立高崎女子高校のOB会から4名への花が贈られてきたようで、邸宅は花盛りでありました。


新幹線でわずか1時間。いい具合の街でした。